Anthroposophie

アトランティス期



アトランティス時代
第三紀~第四紀に相当。第一亜人種 ルモアハル人 第二亜人種 トラヴァトリ人 第三亜人種 原トルテク人 第四亜人種 原トゥラン人 第五亜人種 原セム人 第六亜人種 原アッカド人 第七亜人種 原モンゴル人の7人種期からなる。レムリア時代の第7人種から発生した。アトランティス大陸はヨーロッパ、アフリカ、アメリカの間にあり、大気は濃い霧を含んでいた。


第一亜人種 ルモアハル人 神智学のルモアハル族
初期アトランティス人には、現代人の持つ論理性というものが備わっていなかったが、高度に記憶力が発達していました。この時期はまだ概念を形成する能力はなく、これまでに体験してきた形象による記憶の想起だけによって、出来事の意味を直感することができた。
レムリア時代晩期には、女性たちが自然力を歌のような自然言語に置きかえたが、言語の発達までには至らなかった。しかし、前アトランティス時代の第一亜人種であるルモアハル人は、言語を発することを覚える。彼らの発する言語の響きはとても根源的であり、また自然的であった。言語の発達により、人間は自らの魂と外なる事物との結びつきを行い、言葉を用いて周囲の事物に名前を与えた。それとともに、たとえば病気を癒す力、植物を成長させる力、動物の凶暴性を鎮める力など、言葉に周囲の事物や人間に効力を発揮する力が込められていることを覚えていった。
アトランティス初期の人々は、言葉の乱用は恐ろしい災いを生みだしてしまうものと感じていた。しかし、後期になると、この能力もまた衰退しはじめ、言葉の効力はしだいに弱まっていった。
言語の発達と記憶力の発達とは関連している
すでに十分に記憶力を発達させたときにのみ、人間は事物に付与された名前を理解し、それを利用できる。アトランティス初期こそが言語成立の時期であった。
言語の始まりは、人間の魂と外なる事物との結びつきの始まりでもある。人間は音声後を自分の内部から創り出したが、その音声後は外なる対象を表現していた。
最初期のアトランティス人(ルモアハル人)の場合、その魂の中には自然力に似た力が働いていた。彼らは後代の人々よりも一層周囲の自然力と調和していた。彼らの魂の力は現代人にくらべればはるかに自然的であり、発する言葉の響きもまたひじょうに自然的、根源的であった。
彼らは言葉を用いて事物に名前を与えただけでなく、その言葉の中に、周囲の事物や人間に対して効力を発揮しうるような力をこめた。
ルモアハル人の発する言葉には意味とともに、力もまた具わっていた。言葉の魔力という言い方は、現代人の場合とは比較にならぬほど、当時の人間にとって実際的な意味をもっていた。彼らが言葉を発するとき、その言葉には、それが指示する対象そのもののもつ効力同様のなにかが生み出された。したがって、当時の言葉には病気を治癒し、植物を成長させ、凶暴な動物を鎮める力が、また、それ以外にも類似した諸効力があった。アトランティス後期になると、これらの効力は次第に薄れていった。野性的な力の横溢が徐々に消えていった。ルモアハルの人間たちはこの力の横溢を強大な自然からの賜物と信じていた。
自然に対する彼らのこの態度は宗教的性格をもっていた。特に言語は彼らにとって聖なるものであり、霊的力を秘めた特定の音声をみだりに使用することは、まったくありうべからざることであった。聖なる言葉を乱用したら、どんな恐ろしい禍いを招くかわからない、とだれもが感じていた。同じ言霊の魔力が正反対の力に転化してしまうかもしれないからである。正しい仕方で用いれば祝福を与えてくれる言葉が、冒涜的に使用された場合には、その使用者を破滅させるかもしれなかった。ルモアハル人は、このような言葉の効力を神的自然によるものと考えていた。自分自身の力であるとは考えなかった。

ルモアハル人の時代に最初の、真の哺乳類が誕生した。肉食類で律動系が優勢

第二亜人種 トラヴァトリ人 神智学のトラヴァトリ族
第二亜人種トラヴァトリ人の時代になると、記憶が共通の思い出によって結ばれた、血でつながった人間集団が生じる。そして、共同生活の内部で先祖崇拝がはじまる。
平和を愛し、集落を形成し、入植地を作った。彼らとともに偶蹄類が出現。

第三亜人種 トルテク人 神智学のトルテク族
第三亜人種トルテク人の時代には、社会共同生活が発展し、国家のような形態が生まれてくる。そして有能で尊敬されるリーダーが現れるようになり、代々世襲された。記憶力の発達は一方で個人の強大な権力を生みだし、そのような系図の中から権力を個人の利益にしようとする利己心が生じ、権力の乱用がはじまるようになる。
支配しようとする意志。優れた記憶力を有する者を指導者、先導者、あるいは専制君主にした。ほぼそのころ、げっ歯類が特殊な発達を始めた。

第四亜人種 原トゥラン人 神智学のトュラニア族
生命力を自由に支配できるアトランティス時代におけるこのような権力の乱用は、とくに第四亜人種である原トゥラン人において大規模に起こり、集団相互に大きな破壊を生じるようになった。
この偉大で力強い人種の複数の秘教学院が彼らの裏切り行為の結果、滅びた。彼らはアトランティス人に与えられた力…それを通じて生物を作り変えることができる…を裏切り、彼らの利己的な目的のために使った。秘儀の略奪の結果、ある種の暗さが生じ、そのなかにコウモリ目が発達した。この第四アトランティス時代の秘儀に対する裏切りによって、アトランティス大陸が徐々に沈み始めた。この過程は数千年にわたって続いた。
彼らの子孫はアトランティス大陸水没後、ウラル・アルタイ地方に住み着いた

第五亜人種 原セム人 神智学のセム族
第五亜人種・原セム人になると、そのような破壊を防ぐために利己心を抑制する論理的な思考力が育ちはじめる。一種のロジック(論理、理屈)を発達させた。
思考力の柔軟性を保った唯一の人種で、そのなかのえり抜きの集団が偉大な最初のリーダー・マヌ(ノア)の指導のもと、最初の大破局の直前にアトランティス大陸から移住するのを待っていた。原セム人:原アーリア人種。ノアの箱船に乗せられた「清い動物」とは家畜、人間に連れ添う動物。
マヌの指導のもと、原セム人たちは中央アジアやモンゴルまで移動し、そこでそれら諸人種の新たな春のための種まきをした。この仕事はウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギも分担し、乗るための動物、牧畜用の動物、荷物運搬用の動物が、最終的には東から西へ人間とともに戻っていき、文化の創設を助けた。特に有蹄類の草食動物の協力によって。
同時に別のことが起きた。大惨事がアトランティス大陸の崩壊をもたらした。続いて氷河期となり、巨大な氷河が北から南へ、ヨーロッパ、アジア、北アメリカの各大陸を通って進んだ。地中海は干上がり、氷河はアトラス山脈やアラビア半島にまで達したが、その後徐々に後退しはじめた。
ポスト・アトランティス時代の初期、モンゴルやインドに野生の馬の群れが現れた。

第六亜人種 アッカド人 神智学のアッカド族
第六亜人種アッカド人になると、この思考力はますます向上していく。それまでの共通の記憶に基づく秩序と調和によって、法律と規則が考えだされるようになる。また、人々は思考力が発展することにより、功利性もまた強まり、これによって冒険と新たな建設の気運が高められ、移住や貿易が盛んに行われるようになった。世界で最初の計算する人々。
アッカド人の主要グループは現在の南ヨーロッパと北アフリカを横断した。北に向かったグループはヒュペルボレアス系の人々の集落に出くわし、南ではレムリア人の子孫に出会った。まもなくこれらの地域は住民であふれ、現在のような人口過剰状態になっていった。
彼らの子孫は、カナダ・ノバスコシアに住み着いた。
第七亜人種である蒙古人の場合は、第四亜人種(原トゥラン人)の特徴が強く残り、自然力、生命力に対する信仰を強く残していたとされる。また、第六亜人種、第七亜人種の思考力はその後の新たな発展を遂げるに際し、しだいに相応しくなくなっていった。

第七亜人種 モンゴル人 神智学のモンゴル族
アトランティス文化の末裔の中で、物質界への関与が最も少ない。アストラル体に腐朽実質を含み、ジンギスカン率いるモンゴル進軍はヨーロッパに対するルシファーの攻撃だった。
意志力と思考力を結びつけた。彼らは常に移動し、現在のスカンジナビア、北ドイツ、バルト諸国、ロシアに至るまで広大な地域を渡り歩いた。彼らはその地域全体にあふれ、古代レムリア人の生き残りと出会ったところでは合流し、一緒に発展した。 最終的にアトランティス時代の終わりには、三つのグループの人々が存在するようになった。
①神的叡智を教示し、神的行為を遂行できる人々
②大多数の民衆
③思考力を発展することができ、①のグループの教える原則を把握することができた少数の人々
この③のグループの人々は、第五亜人類原セム人の流れをくんでいたが、その中から「マヌ」とよばれる人類の最高指導者が出現した。



原セム人以降の3人種はその後数世紀にわたって徐々に特別な霊的指導者に導かれ、東方に移動したが、彼らは同時に悪夢に悩まされた。のちにコウモリの中に姿を表す恐怖が原トゥラン人の時代からアトランティス人の魂に芽生えた。彼らはしだいに落着きを失い、その落着きのなさは非常に本源的なもので、やがて放浪の欲求、移動の猛烈な衝動として現れた。アトランティス時代末期の3~5千年間、『放浪』はどこにでも見られた。
ここから私たちはアトランティス時代の春が姿を消していった様子、間近に迫っていた最初の氷河期の雷鳴が轟始める様子を想像することができる。大地が裂け、大陸は安定性を失って漂流を始め、深部から動き出した。人間にはまだある程度の透視能力が広く見られたが、その霊的知覚力は彼らの魂に不安が生じるほどに衰えていた。
彼らは上方の偉大な神々については知っていたが、彼らが見たのは精霊、天使、自然霊などの本質存在で、堕天使にも出会っただろう。
原アッカド、原モンゴル人はアトランティス人類の本来の目的を越え出ていた。

アトランティス人の魂の力は今日の人間とは根本的に異なっていた。彼らは今日よりずっと柔軟な体をしており、なにより強い意志、高次の霊視力を持っていた。自然に対して大きな影響力を与えた。
感覚器官は強く、私たちが匂いを識別するように、金属を感情によって識別した。彼らは自然の力を自分たちに仕えさせた。彼らの住居は半分自然のもので、岩の中に建設されていた。飛行船も作った。それは今日の石炭のような無機的な力ではなく、有機的な植物の小動力に似たもので動いた。

アトランティスは大洪水によって崩壊した。大陸はしだいに海中に没していき、民族は東の方、ヨーロッパとアジアに向かって移動していった。
おもなグループの一つはアイルランドからヨーロッパを通ってアジアに行った。あらゆるところに民族は取り残された。彼らはある高位の秘儀参入者に導かれていた。彼らは秘儀参入者を信頼していた。この秘儀参入者はもっともよい者たちを連れて、今日のゴビ砂漠に住みつかせた。そこで周囲からまったく隔離された小さなコロニーが形成された。このコロニーから開拓者たちが各地に赴き、インド文化、原ペルシア文化、エジプト・バビロニア・アッシリア文化、ギリシア・ラテン文化を築いた。そしてゲルマン・アングロサクソン文化が発生した。
アトランティス大陸の秘儀参入学院の教師は水星-金星存在である。この時代の人間は7度の音程を聞いて神々の開示を感じた。


神智学の門前にて 129p、『民族魂の使命』をどう読むか 129p、シュタイナー用語辞典





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