蒼 穹
13. 闇の中で何かが目を覚ました
ジュンは電磁気カウンターを操作しながら歩き出し、小走りになり、ついに走り出した。「こっちよ!」 そのヘッドランプの灯りをたよりにケンは後を追う。やがてヘッドランプは立ち止まった。
「ここだわ」
黒いパネル。ヘッドランプの丸い灯りはそのパネルのごく一部を照らしているようだった。その一端に、小さく、グリーンのランプがゆっくり瞬いている。
「なにかしら――」ジュンは戸惑っていた。
「動力炉とか、発電機じゃないのか?」
「そう、かもしれないけど、よくわからない」ジュンにしては歯切れのわるい言い方だ。「こんなの、見たことない」、と。
「スイッチを入れてみよう」
「え!? やめて! 自爆装置かもしれないじゃない!」
「俺だったら自爆装置にグリーンのランプつけたりしないけどな」
「やめて! やめてったら!」
「わからないものをこねまわしても始まらん。そう思わないか」
言下にケンはグリーンのランプを押し込んだ。
ブゥゥ…………ンン……
どこかで低い電子音
闇の中で――何かが目を覚ました
ウゥゥ…………ンン……
何かが身じろぎし――立ち上がる気配
「……なんなの?」
「…………」
防寒着の下を冷たい汗が流れる。百戦錬磨の彼らであっても、二十年も実戦から遠ざかっている。緊張からか恐怖心からか。ジュンは手探りで隣にいるはずのケンに手を延ばし、すがりついた。脚の震えは構造物の振動だと気がつく。なにかとてつもなく大きなエネルギーが動きだしたらしい。基地か怪獣かわからないが構造物全体が振動している。
ふたりは戦慄した。『ギャラクター』に乗り込んだ経験は数多あるが、こんな感じは初めてだ。彼らは手を取り合ったままそろそろと後ずさった。と、その時。